シュガークラフトとマジパンの違い

洋菓子の世界でデコレーションの細工物に使われる素材は様々あります。

その中でこのサイトでおなじみのシュガーペーストを使ったシュガークラフトと、マジパンを使ったマジパン細工とがよく混同されがちです。

シュガークラフトの注文を受けている業者さんから、式場から「ウエディングドールのマジパン細工をお願いします」と注文が来た時、よくよく聞いたらそれはシュガークラフトのことだった、、と言う話を聞いたことがあります。

ウエディングの現場でも、その違いはしっかり分かっていない場合もあるようですから、一般にはもっとわからない、、と言う方も多いと思いますので、今日はそれについて説明します。

まずは<シュガーペースト>

 

こちらの主原料は、「粉糖」「卵白」+「増粘剤」です。

増粘剤とは『粘り』を出すためのもので、これによって粉糖と卵白を混ぜたクリーム状から、粘土のようなペースト状にします。

増粘剤は、身近なところでは水あめ、ゼラチン、ちょっと専門的?になると、ガムトラガントやタイロース、CMC、アラビアガムなどになります。

シュガーペーストについての詳しい説明は、本サイトのこちら★をご覧ください。

 

これに対して<マジパン>は何からできているのでしょうか?

マジパンは、「アーモンド」と「砂糖」でできています。

ローストせずに蒸したアーモンドと砂糖を一緒にローラーにかけてペースト状にしたものです。

アーモンドと砂糖をミキサーにかけてマジパンペーストを作る人もいますが、ローラーにかけたものの方がねっとりしていて細工にも向きます。

アーモンドと砂糖の比率で味を調整し、その比率によって「マジパン」、「ローマジパン」などと呼ばれます。

細工用のマジパンは、アーモンドと砂糖の割合が1:2です。

マジパン細工として細工物に使われる他、チョコレートのセンターにも使われていますので、それと気づかずに食べていることも多いです。

日本でいう「餡」のようなもので、特にヨーロッパでは身近なものです。

マジパン

 


<シュガーペーストとマジパンの違い>

ここでは、細工物としての二つの違いについて説明します。

 

その1) 「味」

<シュガーペースト>は殆どがお砂糖です。

そこに卵白と粘り成分が入っていますので、ペースト状の柔らかいうちに食べると、甘い上にねっとりとしていて、美味しい洋菓子を日頃たくさん食べている日本人には「美味しい!」と感じられるものではないようです。

乾くとぱりぱりしますので、ペーストの時よりもおいしく感じます。

 

<マジパン>は半分かそれ以上がアーモンドです。

当然、お砂糖だけのシュガーペーストよりも味は優れていると言えるでしょう。

とは言え、やはりおいしいものがたくさんある日本では、「美味しい!大好き!!」とまで言ってもらえるかどうかは少々疑問です。

 


その2) 「硬さ」

 

細工物にした場合、どちらも自然乾燥で硬くなります。

 

<シュガーペースト>はとても硬く固まりますので、人形などは場合によっては硬くて食べられないレベルになります。

砂糖が多いため保存性も高いので食べないで保存されることが多いシュガーペーストは、そういう意味でもあまり食用には向いていないと言えるかと思います。

 

<マジパン>は、細工物にする際には、お人形など固まりで作るものが多いです。

シュガーペースト程にガチガチに硬くはなりませんが、それなりには硬くなります。

こんな感じの素朴で可愛いお人形が作れますね。

 

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出典 http://jmty.jp/tokyo/les-coo/article-url9


その3) 「細工」

<シュガーペースト>は、例えばバラの花びらのように、1ミリ以下まで薄くできるのが特徴ですので、まるで本物の花のように繊細な細工が可能です。

お人形などを作っても、表面が陶器のようにスベスベで美しく仕上がりますし、ドレスのドレープなどの表現も得意です。

細工の際の接着には、卵白やエディブルグルーなどの接着剤が必要です。

 

<マジパン>は、ローラーで伸ばしてあるとはいえ、アーモンドが入っていますので、お砂糖だけのシュガーペーストよりも滑らかさには欠けます。

粘りを出す成分も入っていませんので、あまりに薄くすると切れてしまいますので、細工にはある程度の厚みが必要です。

アーモンドからの油分がありますので、接着はマジパン同士をくっつけることでほとんどの場合可能です。

薄くできないとはいえ、こんな感じに素敵なバラを作ることができますよ。

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出典 http://blog.goo.ne.jp/chemin-kumiko/e/886fea333170622f15ba16384b888d10

 


その4) 「色」

 

<シュガーペースト>はほぼ真っ白ですので、ウエディングドレスの白はもちろん、着色料を加えて色をつけてもそのままの色でキレイに発色します。

 

<マジパン>はアーモンドの色がついていますので、「ベージュ」のような色をしています。

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ですから、着色料を加えてもそのままの色は出ず、少しくすんだ色になります。とは言え、その色に味があってなかなか良いのですが。

ウエディングドレスの「白」だけは作ることはできませんので、マジパン細工でドレスを作る時には、プラチョコのホワイトを使ったり、シュガーペーストを使ったりすることになります。

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出典 http://ameblo.jp/tomisuya/entry-11632239955.htmls

 


 

いかがですか?

シュガーペーストとマジパンの違い、ざっくりでしたがお分かりいただけましたでしょうか?

 

シュガーペーストの方が繊細なものを作るのに向いていますし、マジパンを間違われがちなお人形でも、硬く乾く性質により、より具体的なポーズなどに対応が可能になります。

なにより、ウエディングドレスに必要な真っ白であることが肝心ですね。

 

マジパンは、繊細を追及するのには向きませんが、可愛くて素朴なお人形を作れます。

そして何より食べることに向いていますので、そういう意味での楽しみもあります。

 

製作の技術としてはほぼ同じようにして作ることができますので、ふたつの特徴を理解して、目的に応じて使い分けできるとよいですね。

 

ちなみに、先日このサイトでお知らせしました日本洋菓子協会主催のコンテスト「ジャパンケーキショー」でも、<シュガークラフト>と<マジパン細工>は別のカテゴリーとして扱われています。

 

シュガークラフトは『第2部 工芸菓子 4類 シュガークラフト工芸菓子』部門、

マジパンは『第1部 デコレーションケーキ1類 マジパン仕上げ』部門 です。

 

<シュガークラフト>は主に大型のウエディングケーキの作品が多く、<マジパン>は1段のケーキの上に乗せた細工のかわいらしさで競っています。

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出典 http://tokyosugar.exblog.jp/22519540/

 

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出典 http://ameblo.jp/dreamingprincess38/

 

 

洋菓子の世界では、シュガークラフトとマジパンはもともと全く別の物なんですが、なぜか現場では時々混同が起こっているのが不思議なのですが、それもこれもシュガークラフトがまだまだ一般的に認知されていない、製品をして見ることが少ないというのが原因かもしれませんね。

 

 

もっとシュガークラフトのデコレーションの魅力が世の中に伝わるといいな~と思います。


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